第118章 変化で得られたもの
「私、どんどんダメな人間に
なってる気がするんですけど……」
エマは枕から顔を上げると、
エルヴィンに目を向ける。
「そうか?私は君がどんどん欲望に
正直になっていることに安心しているが。」
「……欲望に正直って、良くないですよね?」
エマは小さくため息を吐く。
「そんなことはないだろう。
ここに来たばかりの君は、
料理のことばかりで
他の欲は何もなかったんだから。」
「……その方が良かったです。」
「そうかな。
もしそのままだったら、
君はリヴァイや私の恋人になることも、
ジャンやエレンと向き合うことも
なかったことになるんだよ?
それは君にとっていいことなのか?」
エマは思わず沈黙する。