第118章 変化で得られたもの
「まぁ、君が投げやりになりたい気持ちも
分からないではないが。」
エルヴィンは笑いながら、
エマの頭を撫でる。
「一人で悩むのは、なかなか辛いだろう?」
「はい。
今までどれだけ人に頼ってたか、
身に沁みて分かりました。
……と言うか、
今も結局エルヴィンさんに
頼ってるんですけど。」
エマは枕に顔を埋めたまま言う。
「君に求められるのは嬉しいが、
いつまでもこの関係を
続けるわけにはいかないな。」
「………エルヴィンさん、
最初会った時より、
色んな意味で強くなりましたよね。」
エマは横目でエルヴィンを見た。
「そうかもしれないな。
だが、強くなった、というより、
これが本来の私だよ。
一年前の精神状態に戻ったんだと思う。」
エルヴィンは穏やかな顔で話す。
「ここまで私を立ち直らせてくれたのは
君のお陰でもあるんだ。
そんな悲しそうな顔をするな。」
エルヴィンは横目で自分を見るエマの頭を
くしゃくしゃと撫でた。