第116章 一番必要な人
次の日の夕方。
「………意外ときついな。」
エマは思わず、口ずさむ。
早番の仕事を終え、
とにかく一人で
落ち着いて考えられる場所を探し、
着いた先は菜園だった。
周りの雑草を抜きながら、
エマは昨日のエルヴィンとの会話を思い出す。
エルヴィンの決断は、自分を突き放し、
選択を促すことだった。
それはエルヴィンにとっても、
心が痛むことだっただろうし、
自分を想ってしてくれたことだと
言うことは、身に沁みて分かった。
リヴァイの決断は、自分を突き放し、
エルヴィンとの幸せを促すことだった。
リヴァイがその決断をした理由は、
少し考えればすぐ分かることだったのに、
自分は考える事を放棄していた。