第115章 究極の選択
「私はエルヴィンさんのことが好きです。
……でも、リヴァイさんのことも
好きなんだと思います。」
エマの明解な言い分に、
エルヴィンは思わず吹き出す。
「え、今の笑えないですよね?」
エマは焦った表情でエルヴィンを見た。
「……いや、君がいきなり
高らかに宣言するから、つい……」
エルヴィンは肩を震わして笑う。
「元の君が戻って来たな。安心した。」
エルヴィンはそう言ってエマの髪を撫でた。
「……でも、まだ自分の気持ちが
よく分からないんです。」
エマは小さくため息を吐く。
「よく考えてみたら、私、あまり一人で
冷静に悩んだことないんですよね。
一人になると、悩んでも途中で
怖くなって中断しちゃうし、
その上、エルヴィンさんやジャンに
頼ってばっかりでしたし。」
「そこまで分かってるんなら、
もう答えは近いだろう。」
エルヴィンはそう言ってエマの頭を
ポンポンと軽く叩く。
「大丈夫だ。君は自分で決断できる。」
そう言うエルヴィンの表情はとても穏やかで、
エマは安心感を覚えた。