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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第10章 エルヴィンの想い




暫くの沈黙を破ったのは、エルヴィンだった。



「エマ。そろそろ私のことも
肩書なしで呼んでもらいたいな。」

「……リヴァイさんみたいに、
ってことですか?」

エマは若干顔を上げる。

「あぁ。
君には名前だけで呼ばれたい。」




「……エルヴィンさん。」

エマの呼びかけに、エルヴィンは

「リヴァイ風に言うと、“悪くない”だな。」

と言って笑った。


「リヴァイだけ肩書なしで呼ばれているのが、
少し羨ましかったんだ。」


「……もっと早く言ってくれたら、
いくらでも名前だけで呼びましたよ?
リヴァイさんは5年前から、
肩書なしで呼べって言ってきましたからね。」

エマの言葉に、
エルヴィンは表情を緩めると

「そうか。そんな前から、
リヴァイは肩書なしで呼べと。」

そう言って、エマの髪を優しく撫でる。




「……でも、エルヴィンさんに
肩書なしで呼んで欲しいって言われて、
なんか嬉しいです。」

その言葉を聞いた途端、エルヴィンは
エマの髪を撫でる手を止める。


「団長って呼ぶと、気付くじゃないですか。
この人は団長なんだから、
すごく偉い人なんだから、
私が気軽に話しかけていい相手じゃないんだ、
って。」


「……でも、エルヴィンさんって
仕事中を除けばすごく気さくだし。
話しやすいから、
つい団長ってことを忘れて
接してしまう時もあったんですけど。」

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