第111章 欲に正直に
「えー、いいところだったのに!」
ハンジは心底残念そうに声を上げる。
「や、やっぱりこれ、
聞いちゃいけないやつじゃないか?」
ジャンは少し青褪めると、
「エマさん。もう暴露はいいよ!」
と、声を掛ける。
「ジャンは、キスが上手いです。」
突然始まった、
まさかのジャンの話に、
ジャンは一気に赤面した。
「エレンの言ってた通りじゃねぇか。」
リヴァイはそう言うと、ジャンの顔を覗き込む。
「……もう聞きたくないんだが。」
エルヴィンはそう言いながら肩を窄ませた。
「でも、ジャンとは最後までしてないです。」
エマのその言葉に、エルヴィンは
「ん?聞いてた話と違うが。」
と、少し顔を上げる。
「ジャン、緊張して立たなく」
「エマさん!
それ、言ったらダメなやつだ!」
ジャンは大声でエマの話を遮った。
「……初めての子としては、よくある話だね。」
ハンジはそう言いながら、
赤面したジャンの肩を叩く。
「そうだったのか。
いや、事実を知れて良かったよ。」
エルヴィンはそう言って肩を撫でおろした。