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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第10章 エルヴィンの想い





休みはあっという間に終わり、
いつもの生活が戻ってきた。


「エルヴィン団長!」

廊下でエルヴィンの姿を
見つけたエマは、声をかける。

「エマ。おはよう。」

エルヴィンは横に並んだエマに
笑いかけた。



「団長、あの、今から
お部屋に行ってもいいですか……?」



エマからの突然の大胆な発言に
目を丸くするエルヴィン。


「……君はこんな朝から、
私を誘っているのかな?」

エルヴィンは冗談めかして答える。


「……!あ、いや、
言い方おかしかったですか……?」

思わず顔を赤らめる。


「えっと、さっきハンジさんに頼まれたんです。
団長の部屋にある本を取ってきてほしいって。」

「なんだ、そういうことか。」

エルヴィンがわざとらしく出した
残念そうな声に、エマは思わず吹き出す。


「それなら私がハンジに届けておくよ。
エマは昼食の仕込みで忙しいだろう?」

「いや!私が取りに行きます!
団長も今忙しそうじゃないですか。」

エマは団長が手に抱える
分厚い書類の束を見る。


「私はもう仕込み終わってますし、
本届けるくらいのおつかいなら
できますから。」

そう言って胸を張るエマに、

「エマには何でもお見通しだな。
それなら頼むよ。」

と、エルヴィンは笑った。


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