第109章 最善の結論
部屋の前に戻ると
丁度、エルヴィンが部屋から出るところだった。
「エルヴィンさん。」
エマはエルヴィンに駆け寄る。
「エマ。すまなかったな。
また情けないところを見せてしまった。」
そう言って笑うエルヴィンは、
いつもの優しい表情を作っている。
「……君の判断に任せるよ。
君の心を縛り付ける権利は、私にはない。」
エマはエルヴィンの手を握ると、
「エルヴィンさん、
恋人を続けさせてください……」
それだけ言って、エルヴィンの胸に顔を伏せた。
エルヴィンは何も言わず、
エマを優しく抱き寄せた。