第109章 最善の結論
「エマ。
君は、それを聞いてどう思ったんだ。
またリヴァイの恋人に戻りたいと?」
エルヴィンの手に、力が入った。
「……そこまで考えていません。
と言うより、動揺していて、
考えが追い付いてないです……」
エルヴィンは気持ちを落ち着かせるように、
深くため息を吐くと
「……すまない。ダメだな、私は。
君を手放したくない気持ちが制御できない。」
そう言ってエマの肩に顔を伏せる。
「君が私から離れて行くのが怖いんだ。
君の心を縛ることなんてできないのは
よく理解している。だが……」
「エルヴィンさん。」
エマは、エルヴィンの背中に
そっと手を回した。
「私がエルヴィンさんのことを
好きな気持ちは変わらないです。でも、」
エマは小さく息を吸い、
「でも、リヴァイさんを
このまま一人にはしておけない。」
と、エルヴィンをそっと離す。
「……すみません。
ここまで知ってしまったら、
もう引き返せないです……」
エマはそう言うと、部屋を出た。