第108章 特別で、願いが叶う夜
しばらくして、エマは目を開けると
「リヴァイさんは、
何をお願いしたんですか?」
と、リヴァイに問いかける。
「……お前に言う必要はねぇ。」
「と言うことは、
ちゃんと願い事はしたんですね。」
「俺が柄にもなく
星に願うことを嘲笑してんのか?」
「いえ!安心しただけです。」
エマは少し声を大きくして言った。
「何で安心するんだよ。」
リヴァイはそう言いながらエマを見入る。
「リヴァイさんにも、
願うことがあるんだなぁって。
最近巨人のことで
頭がいっぱいみたいだったので。」
「巨人が絶滅するように
願ってるかも知れねぇだろうが。」
エマはその言葉に小さく笑い、
「リヴァイさんは
そんなことは願わない気がします。
だって、リヴァイさんが
巨人を絶滅させるんですよね?
それなら願う必要は、ないですから。」
と、リヴァイに視線を向ける。
「お前は、俺が戦う姿を見てなくても、
そんなことを過信できるんだな。」
リヴァイはそう言って少し頬を緩めた。
「そうですね。
見たことはないですけど、
周りからの信頼の厚さを見てたら、
リヴァイさんの凄さは大体想像が付きますよ。」
リヴァイは黙ったまま、
エマの手をまた強く握った。