第108章 特別で、願いが叶う夜
「それより、お前の願い事も
一つくらい教えろよ。」
リヴァイはそう言って
エマの顔を覗き込む。
「え。何でですか。」
「大方お前のことだから、
やたら食べ物に関する願いでも
してんだろうがな。」
「……完全に否定はできません。」
エマは少し俯いてそう言う。
「まぁいいんじゃねぇのか。
お前の願う事としては。」
リヴァイの呆れたような言い方を聞き、
エマは少しムキになって、
「でも、他にも願いました!
リヴァイさんがっ、」
そう言いかけて、口を噤む。
「何だ。」
「……何でもないです。」
エマはリヴァイから目を逸らす。
「俺の何を願ったんだ。」
「………内緒です。」
「そこまで言っておいて、言わないつもりか。」
リヴァイはそう言うと、
エマの頭を持って自分の方に向けた。
「……じゃぁ、リヴァイさんも
何願ったか教えてくれたら、
教えてもいいですよ。」
エマは強い眼差しでリヴァイを見る。
「ほう。俺に交換条件を付きつけるとは
いつも通りお前は強気だな。」
リヴァイはエマから手を離した。
「……いいだろう。
その条件、呑んでやるよ。」