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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第108章 特別で、願いが叶う夜



「リヴァイさん、せっかくだから、
今つけてみて下さいよ。」


エマの言葉を受け、
リヴァイは左手に手袋をはめる。



「意外と温いもんだな。」

リヴァイはそう言いながら、
もう片方の手袋をエマに渡した。



エマは手袋を受け取ったものの、
どうしたらいいのか分からず
黙っていると、

「今は、お前が使え。」

リヴァイはそう言って
手袋に目を向ける。


「でも、片方私が使ったら、
リヴァイさん片手寒いままですよ?」

エマはそう言いながらも、
右手の手袋をはめると、
リヴァイはそっとエマの左手を握った。



「……今、すごいドキッとしたんですけど。
リヴァイさんって、実はこういうキザ……じゃなく、紳士的なことも出来るんですね……
片方の手袋をはめさせて、もう片方の手は繋いで温めるなんて」
「うるせぇな……!いちいち現状を説明するな……!」

リヴァイは声を上げ、
エマの言葉を遮った。



「すみません……」

エマは謝りながらも、肩を震わせて笑う。


「ありがとうございます。
でも、これって」
「今日は俺の誕生日だろうが。
これくらい許されるだろ。」

リヴァイはまたエマの発言を遮ると、
繋いだ手に力を入れた。

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