第107章 おかえりとありがとう
エマがリヴァイの前に
試作品を出すと、
「肉なんて、どこで手に入れるんだ?」
そう言って、エマを見入った。
「そうですね。菜園近くで豚を数匹、
放牧してます。」
エマが冗談めかしてそう言うと、
「……笑えねぇ冗談だな。」
リヴァイは小さく息を漏らした後、
試作品を食べ始めた。
エマはリヴァイの隣に座り、
その様子を興味深げに見る。
「どうですか?肉に似てますか?」
エマはリヴァイの顔を覗き込む。
「ああ。似てる、
というか、殆どそれだな。」
エマはリヴァイのその言葉に
小さくガッツポーズをすると
「良かった。
リヴァイさんにそう言ってもらえると、
自信持てます。」
そう言って小さく安堵のため息を吐いた。
「肉なんて調査前くらいしか
食べさせてもらえねぇから
これを食べさせてやったら、
他の奴らも喜ぶだろうな。」
リヴァイは少し頬を緩める。
「……やっぱりリヴァイさんは
仲間想いの優しい兵士長ですよ。」
エマの独り言のような呟きに、
「おい、何か言ったか?」
と、リヴァイはエマの顔を覗き込んだ。