第104章 素敵な恋人と最良の職場
「誰かの為に何かを、って、
偽善っぽくて嫌だったんですけど、
結局誰かの為に何かをすることが、
自分の為でもあることに
ここに来て気付きました。」
エルヴィンは優しい表情でエマを見る。
「誰かの為を想って仕事をして、
自分も成長できるんだから
ここでの仕事は、やっぱり私にとって
最良なんだと思います。」
エマがそう言い終わると同時に、
エルヴィンはエマを抱き寄せた。
「ありがとう。君のような人が、
この兵団で働いてくれていて良かった。」
「……でも結局は、自分のためですから。」
「それでも君は私の、
私たちの力になっているからね。」
「もっと力になれるように、精進します。」
エマはそう言うと、
エルヴィンの背中に手を回した。