第102章 団長の恋人として
次の日の昼過ぎ、
調査兵団は壁外調査に向かった。
前回同様、基地に残っている
怪我人や医師、料理人は、
故郷に一時帰郷することが許され
調査兵団の基地は、一気に静まり返る。
エマは基地の掃除をし、
エルヴィンの帰りを待っていた。
夕方になり、
夕食の準備をしている最中、
エルヴィンが基地に戻ってきた。
「エマ、ただいま!」
エルヴィンは息を切らしながら、
飛び込む勢いで食堂に走って入ってくる。
エマは厨房から出て来ると、
「エルヴィンさん、おかえりなさい。」
そう言った途端、エルヴィンに抱きしめられた。
「エルヴィンさん、
そんな息切らしてどうしたんですか?」
エマは肩で息をするエルヴィンの背中を
優しく摩る。
「少しでも早く、
君を抱きしめたかったんだよ……」
「そんな焦らなくても、
これからしばらくは二人きりですよ。」
エマは少し笑いながら言った。