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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第99章 恐れ多い恩人



「そうか。エマはここで俺といたから、
取りあえずは無事だ。
だが、エルヴィンは納得しないだろうな。」

リヴァイはそう言うと、軽く目を閉じる。


「そこも同感です。」

ジャンは大きく頷き、

「とにかく、このことは口外しません。
それでエマさんは夜、俺と一緒にいた
ってことにしとけばいいですか?」

そう言ってリヴァイを見た。


「ジャン。お前は物わかりがいいな。」

リヴァイはそう言うと立ち上がり、
ドアに向かう。



「ジャン、口裏合わせてもらってごめん。
お願いします。」

エマも立ち上がると、ジャンに頭を下げた。


「いいよ。でも、俺、
昨日エマさんに会えてないから、」

ジャンはそこまで言って、
エマの耳元に口を近付けると

「また後で、ゆっくりお礼してよ?」

小声でそう言って、エマに笑いかける。


「……分かった。
無茶なやつはやめてね。」

「今まで俺がエマさんに
無茶なお願いしたことなんてないだろ。」

「よく言うよ……」

そんな会話をしていると、

「おい、そろそろ行くぞ。」

リヴァイは二人に声を掛け、三人で部屋を出た。


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