第97章 懐かしい匂いとベタな展開
リヴァイはエマの方を向くと、
エマの涙袋にそっと触れる。
「一人で泣いてたのか?」
「泣きそうだったので机に伏せてたんですが、
いつの間にか寝てたみたいですね。」
エマはリヴァイの問いに、正直に答えた。
「そうか。」
リヴァイはそう言うと、
エマの頬に手を置いたまま目を瞑る。
恋人ではなくなった今も、
無防備な姿を見せてくれるリヴァイに
エマは動揺せずにはいられなかった。
エマは自分の頬に置かれた
リヴァイの手を握り、目を瞑る。
リヴァイの手はかなり冷たく、
思わず握る手に力が入る。
「それは俺を誘ってんのか?」
リヴァイは目を開けると、
エマを見入った。
「え。何の話ですか?」
「手。どんだけ握り締めるんだよ。」
リヴァイのその言葉に、
エマは焦って手を離す。
「す、すみません……
冷たかったので、つい……」
エマは焦って目を逸らすと、
「そうか。それならお前が温めろ。」
リヴァイはそう言い、エマの首に触れた。