第97章 懐かしい匂いとベタな展開
エマはリヴァイの部屋に入ると、
ソファーに腰掛ける。
リヴァイの部屋は
相変わらず綺麗に整頓されていて、
清潔感のある石鹸の香りと
ほのかに香る蓮の匂いが
エマの心を落ち着かせた。
リヴァイが自分を求めてきた事実に
戸惑いはしたものの、
自分を必要とする素振りを見せてくれたことが
嬉しくもあった。
だが、その感情が芽生えることで
エルヴィンに対する罪の意識も
感じずにはいられなかった。
完全に日は沈み、空には少しずつ
星の輝きが目立ち始める。
『……エルヴィンさん、
夜は昼以上に求められるんだろうなぁ。』
エマはそんなことを考えて
また目頭が熱くなるのを感じ、
すぐに考えを遮断する。
そして、もう何も考えずに済むように
目を瞑って机に顔を伏せた。