第96章 反省と自棄と真摯と
「おい、お前、いい加減こっち向け。」
リヴァイはエマの肩を掴む。
「……また泣きはらした目を
見ることになると思いますが、大丈夫ですか?」
「問題ない。」
リヴァイはそう言うと、エマの手を引き、
正面から抱きしめた。
「こっちの方が、しっくりくるんだよ。」
「後ろから抱きしめられるのも、
なかなか良かったですけどね。」
「なんだ。
お前意外とその気になってんじゃねぇか。
続き、やりたくなってきたのか?」
冗談めかしてそう言うリヴァイに、
「そういう訳ではないですが………
でも、続きはしましょう。」
エマは冷静な声で言った。
「おい、さっきと言ってることが違うが。」
明らかにリヴァイの声色が変わる。
「そうなんですけど、
やっぱりおかしいですよ。」
「……何がだ?」
リヴァイは動揺を隠しきれず、
少し上擦った声になる。
「私だけ気持ちよくさせといて、
リヴァイさんは何もなしって。」
「まぁ、最初からお前をいかせるつもりも
なかったからな。」
「……いやいや、初っ端から
いやらしい手付きでしたけど。」
エマは思わず口を挿む。
「とにかく、私もしますよ。」
「おい、待て。」
リヴァイから少し離れ、
リヴァイのベルトに触れたエマを
声で制止させた。