第96章 反省と自棄と真摯と
「お前な、
感情隠すのが人一倍下手クソなくせに
そんな自棄になったフリすんなよ。」
エマの腰に回されたリヴァイの熱い手は
エマの不安定な感情を抑えるかのように、
穏やかに身体も心も包み込む。
「妬いてるんだろ?
嫌な気持ちになったんだろ?
それならいつも通り泣けばいいじゃねぇか。」
「……もう泣かないです。
これ以上弱い自分になりたくないですから。」
エマはそう言うと軽く上を向き、
息を吐く。
だが、
「泣かないのが強い訳じゃねぇだろうが。
泣いても、立ち直れるのが強さだろ。」
リヴァイのその言葉に、
「リヴァイさん。
泣くのを正当化するようなこと言うの、
止めてくださいよ……」
と、ポロポロ涙を溢し始めた。
「正当化なんてしてねぇよ。
当たり前のことを言っただけだ。」
リヴァイはエマを後ろから抱きしめながら、
小さく笑った。