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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第8章 リヴァイの懺悔



「……ダメだ。思い出せる気がしねぇ。
俺は何をした……?」

リヴァイはタオルを口に当てると、
俯いて考え込む。


「そうか。思い出せないのか。」

「エルヴィン、
俺が何かしたところを見たんだったら、
止めるべきだろうが……」

リヴァイはソファーに深くもたれこんだ。


「私が部屋に戻った時には、
もう遅かったんだ。止めようにも」

エルヴィンが辛辣な表情で
そう言いかけたところで、
リヴァイは勢いよく立ちあがった。


「……まずいな。
俺がハンジに手を出すはずがねぇ。
俺が手を出したのは……エマか。」

「まぁそんなに思い詰めるな。
エマがどう思っているかは
分からないだろう。
同意の上かも知れないしな。」

必死に笑いを堪えながら
そう言ったエルヴィンに、


「いや、それはねぇだろ。
こんなとこでのんびりしてる
場合じゃねぇな……」

少し焦った語調でそう言うと、
急いで部屋から飛び出した。







「………あははははは!」

リヴァイが出て行った直後、
部屋の奥からハンジの笑い声が響いた。


「エルヴィン、あれは脅しすぎでしょ。
ほんとのこと知ったら、どうなることやら。」

ハンジは笑いながらエルヴィンの肩を叩く。



「……仕返しが怖いが、
あんなに焦ったリヴァイの顔は久しぶりだな。
リヴァイに感情の起伏が
戻ってきてくれて良かったよ。」

「冗談きついって。
リヴァイ、エマに何て言うのかな?
謝ると思う?」

ハンジは笑いが止まらずお腹を抱える。


「どうだろうな。
その後の話は、またエマから
聞くとしよう。」

エルヴィンは満足気に椅子に座った。



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