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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第93章 願掛け



「そりゃそうだよな……
俺も今、急に思い立って言っちゃったから。」

「え、思いつきで言ってみたの?」

エマは呆気にとられる。


「うん。エマさんが
気にしないって言ったから、
じゃぁもう一回くらいしてくれるかな、
と思って。」

赤面したままのエレンは
語尾になるにつれて、声が小さくなった。



「……ただ、思いつきだけど、
ほんとに出来たらいいな、と」
「分かった。エレン。目、瞑って。」

エマは腹を括ったかのように、
エレンの発言を遮った。


「えぇ!本気?
いいよ、そんな、無理に」

「ううん。無理ではないよ。」

エマはそう言うと、
俯いて一度深呼吸をした。


「これって、エレンが無事帰ってくるための
願掛けみたいなものでしょ?
ここでエレンのお願い聞いておかないと
後で後悔する気がする。」

エマはそっとエレンの頬に触れる。



「……確認するけど、
本当に相手が私で大丈夫?」

エレンの頬は、
見た目以上に熱を帯びていた。


「……うん。
エマさんにしてもらいたい、です……
……お、お願いします。」

エレンはそう言うと、
エマに目線を合わせるように少し屈み
目を閉じた。

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