第92章 守られていた事実
「それに、前回はエレンがエマを
守ってたところもあるからね。」
「え?」
エマは疑問の目をハンジに向ける。
「エレンと廊下で抱き合ってたことで、
他の兵士はエマに声を
掛け辛くなったんだと思うよ。
エレンのこと、未だに怖がってる兵士も
結構いるから。」
前回の調査前、
エレンと廊下で抱き合ったことにより
それ以降は誰からも声を掛けられず、
目すら合わせないようにする兵士さえいた。
むしろ、それから数日間、
小声で陰口を叩かれる状態に
なったことを思い出した。
「知らず知らずのうちに、
色んなところで助けられてたんですね…」
エマは大きくため息を吐いた。
「それにしても、ハンジさんは
何で狙われないんですか?」
「実験材料にされるからじゃない?」
エマはハンジの光る眼に、
思わず目を逸らす。
だが、目を逸らした先に
鋭いピックが目に留まり、
再び視線を戻した。