第92章 守られていた事実
「そりゃそうだ。
今回はリヴァイの目がないもんね。」
ハンジはそう言うと、エマの手を引き、
ソファーに座らせた。
「……リヴァイさんの目?」
エマは顔を上げると、
ハンジの言葉を反覆する。
「エマ、前回の調査前は
リヴァイと恋人だったでしょ?
だからみんな、手出しし難かったんだよ。
後が怖いからね……」
「でも、私は今、一応
団長の恋人なはずなんですが……」
エマは不思議そうに呟く。
「だからこそ、声かけられてるんだよ。
エルヴィンなら、
自分たちの気持ちを理解して
許してくれるはず、
って思ってるだろうからね。」
ハンジのその言葉の意味は、
よく理解できる。
エルヴィンは兵団の為なら、
いや、人類の前進の為なら、
命をも捨てようとするような人だ。
エマは納得したように頷いた。