第91章 好き
「……そんな風に想っていてくれたんだな。」
エルヴィンは優しくエマの髪を撫でる。
部屋に入ってきた時より、
エルヴィンの手は温かみを増していた。
「過去に関係があった女性に、
感情を持ったことはない。
最大限に思わせ振ることが出来るように、
甘い言葉も、優しい顔も、好まれる身体も、
全部自分で作って来たんだ。
……だが、今の君への言動や行動には、
私の心と感情がある。
私が愛しているのは、君だけだ。」
エルヴィンの言葉は、
優しく力強く、エマの心を温めた。
「そこまで言わせてしまって、すみません……」
エマはあまりに大人げない
自分の発言を後悔する。
「……エルヴィンさん、愛してます。」
エルヴィンは優しい表情で
エマを見つめると、
「分かってる。
言わせたかっただけだ。」
そう言ってエマに唇を重ねた。