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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第91章 好き



「言い慣れるほど、
言ってきたのは確かだ。だが、」

エルヴィンは、
そっとエマの手を握り

「君に対して言う、愛してる、
には私の感情がある。
抱きしめるだけじゃ抑えきれずに、
溢れだした感情があるんだ。」

そう言って寂しげに笑った。



「すまない。
私の過去の行いのせいで、
君に嫌な思いをさせてしまっていたんだな。」

そう言って後ろを向いた
エルヴィンの背中に、
エマは思わず抱き着いた。



「……すみません。
ただのやきもちです。」

エマはエルヴィンの背中に顔を埋め、
ため息を吐く。

同時に、感情をコントロールすることが
難しくなっていた自分に呆れる。



「過去に嫉妬するなんて、
馬鹿らしいことだとは思うんですけど
やっぱり思わずには
いられないんですよね……」


エルヴィンは沈黙したまま、
エマの話に耳を傾ける。


「エルヴィンさんが、自分以外の人に
どんな甘い言葉をかけたのか、
どんな優しい顔を見せたのか、
どんな風に抱きしめたのか、
そんなことを考えて
勝手に嫉妬してただけです……」

エルヴィンは振り向くと、
エマを優しく抱き寄せた。


「……だから、
そんな寂しそうな顔しないで下さい。」

エマはそう言って、
エルヴィンの胸の中で俯いた。

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