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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第90章 決断する方法



エルヴィンは自分の頬に触れた
エマの手を握る。


「もし、リヴァイの言葉の意味が
分かった時は、また教えて欲しい。」

「いや、だから私は
分かろうとする努力はしないですよ。」

「そうじゃない。
君が分からずとも、知る時が来るかもしれない、
と言うことだ。」


「……エルヴィンさんには、分かるんですか?」

思わず聞いてしまったことを、
エマは一瞬後悔するが、エルヴィンは

「ああ。……分かるよ。
だがリヴァイの選択が
正しかったのか間違っていたのか、
それが分かるのは、まだ先だろう。」

そう冷静に答えた。


エルヴィンの目は優しく、
だが、どこか寂しそうでもある。



「……長年の付き合いだから、
分かるんですか?」


エマの問いに、
エルヴィンは少し笑うと、

「いや。私も彼と同じ状況だったら、
同じ選択をしていたかも知れないからね。」

そういって優しくエマを抱き寄せる。



「もうヒントは出せない。
できることなら
ずっと分かって欲しくないんだ。」


エルヴィンの声は、
感情を抑えるように小さく響く。



「……それなら、
ヒントはいらないです。」

エマはエルヴィンの背中に手を回した。


「今日私は、
君に甘えてばかりだな……」

エルヴィンは繊細な物を扱うように、
エマの髪を優しく撫でた。



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