第90章 決断する方法
エマはエルヴィンの反応に
思わず吹き出すと、話し始めた。
「確かに、リヴァイさんに
嫌いになったわけじゃないって言われて
かなり気は動転しましたけど、
だからと言って、リヴァイさんとまた
恋人に戻りたい訳ではないです。
……リヴァイさんに
嫌いになったわけじゃないのに
何で私を振ったのか聞いたら、
“知りたいなら自分で考えろ。
別に分からなくてもいい。”
と、そう言われたんです。」
エルヴィンは顔を上げ、エマを見る。
「分からなくていいって言われても
気になりますよ、実際。でも、」
エマはエルヴィンの手を握り、
「考えをやめることも、
決断方法の一つだと思うんですよね。」
そう言ってエルヴィンに笑いかけた。
エルヴィンは額に手を当て、
大きくため息を吐き
「……すまない。
私が君に圧力をかけていたんだな。」
と、また目を伏せる。
「いえ。これが私の選択です。
だからもうそんな顔しないで下さい。」
エマはエルヴィンの頬にそっと触れた。