第90章 決断する方法
「エマ。
これはかなり一大事じゃないのか?
君にそんなに淡々と話されると、
こっちが必要以上に動揺してしまう。」
エマはエルヴィンの焦ったような表情を、
不思議そうに見た。
「普通に話してるだけなんですけどね。
まぁ、私も最初聞いたときは、
唖然としたと言うか……
でも、あまりに普通に言われたので、
若干腹立たしくもありましたが。」
エマはそう言いながら
俯き加減に首を傾げ、
「でも、安心もしました。」
と、少しため息を吐く。
「……やっぱり嫌われたままなのは、
嫌だったんだと思います。」
「……私の問いの答えには
なってないようだが。」
「一大事じゃないのか、って問いですか?」
エマは呆れたような顔をした。
「エルヴィンさんって、
私のこと全然信用してませんよね。」
「これは信用の問題ではないよ。」
「そうですか?
まぁ、でも、元々恋人同士だった相手と
一緒に買い出しに行かれるのは
確かに考えてみたら嫌かもしれないです。
すみませんでした……」
「いや、そこはもういいんだ。
リヴァイの買い出しを
手伝ってくれたことに関しては
兵団の人間として言わせてもらうなら、
とても感謝している。」
エルヴィンは、質問の回答に
なかなか辿り着かないエマの発言に
身悶えながら返していく。