第7章 大人組との飲み会
『ハンジさんとエルヴィン団長って、
もしかして恋人同士とか……?』
エマは心の中でそんなことを考えながら、
チラッとリヴァイの方を向く。
「さっきから全く喋らないですけど、
リヴァイさんも酔ってる、
とかはないですよね?」
エマが半分笑いながらそう問いかけると、
リヴァイはいきなり立ち上がり、
乱暴にエマの右隣に座った。
「……おい、お前。
これが酔ってるように見えるのか。」
リヴァイの顔色は普段とまるで変わらないが、
心なしか呂律が回っていないような気もする。
「リヴァイさんも普段の訓練やら
会議やらで疲れてるんですから
そんなに飲みすぎたら体がもたないですよ。」
エマはリヴァイの顔を覗き込んだ。
「……なんだ、お前は酔ってねぇのか?」
リヴァイはエマの話を
軽く流して問いかける。
「私、意外とお酒は強いんですよ。
食堂で働いていたころに鍛えられたので」
そう言い終わる前に、
リヴァイはエマの肩にもたれかかった。
「……あの、リヴァイさん、
大丈夫、ですか?」
エマは肩から伝わるリヴァイの体温に、
鼓動を速くする。
「……このくらいいいだろう。
昨日倉庫に閉じ込められた時なんか」
「あーーーーーー!
もう、はい、分かってますよ!
全然問題ないです!」
昨日のことを思い出し、
恥ずかしくなってリヴァイの言葉を遮った。
「……お前は、ここに来て、
淋しくはねぇのか?」
「急に、何の話ですか?」
エマは横目でリヴァイの顔を盗み見る。
「育ての親も、友人も、
ここには誰もいねぇだろうが。
戻りたくはならねぇのか?」
まさかリヴァイにそんなことを
聞かれるとは思いもしなかったので、
エマは返答に困った。