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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第88章 勝負の行方



その時、

「あの、一つ、提案してもいいですか?」

エマが冷静な声で問いかけた。


「なに?彼氏かばって、
俺たちの相手してくれるの?」

髭の男は、エマの顎を掴む。


その男の手は何故かじめっと湿っていて
エマは少なからずの嫌悪感を覚える。


リヴァイは一気に辛辣な表情になると、

「おい、そいつに触るんじゃ」

そう言いかけて、

「いいですよ、相手しても。」

と、あっけらかんとした様子で発言する
エマの言葉に、一旦口を止めた。




「おい、お前何言ってんだ?」

リヴァイはエマを注視する。


「さすがに調査前に喧嘩はマズイです。
もし怪我でもしたらどうするんですか?」

エマは小声でそう言うと、
リヴァイの目を見つめた。



いくらリヴァイに都の地下街で
有名なゴロツキ時代を送った過去が
あったとしても、ここでの喧嘩は
危険としか言いようがなかった。

もし、この急な階段から落ちでもしたら、
ただの怪我では済まされないだろう。



「今はそんなこと言ってる場合じゃ」
「でもその前に。
お兄さんたち、私と勝負しませんか?」

エマはリヴァイの言葉を遮ると、
髭の男の手を掴んだ。


やはり男の手は湿っていて、
振り払いたくなる衝動を抑えるため、
気付かれないように、小さくため息を吐く。

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