第88章 勝負の行方
髭の男は、鼻で笑うと
「へぇ、金はくれるの。」
そう言ってリヴァイの正面に立つ。
「でも俺たち、女も欲しいんだよ。
いいだろ?
ちょっと貸してくれるだけでいいから。」
「無理な提案だな。」
リヴァイがそう言ったその時、
エマは長身の男に手を掴まれた。
「3対1だよ。
勝ち目ないの分かるよね?
それとも、この足場の悪い階段で、
俺たちとタイマン張る?」
長身の男はニヤニヤとリヴァイを見る。
その自信ありげな男の顔に、
自分は背が高いだけではない、
と言いたげな思いすら感じられた。
リヴァイは一瞬俯き、
怒りを落ち着かせるように、ため息を吐くと
「……いいだろう。
全員まとめて相手してやるよ。」
そう言って上着の袖のボタンを外した。