第88章 勝負の行方
「あ、やっと休憩ですか?」
エマはそう言うなり、
即座にリヴァイの横に座り込む。
だが、
「おい。お前、何回休憩する気だ。
お前に歩かせてたら、
日が暮れて朝が来る。
早く背中に乗れ。」
リヴァイは眉間に皺を寄せて
エマを見た。
「え、無理ですよ!
この階段を人おぶって上がるとか!!」
「いいから乗れ。これは命令だ。」
リヴァイのドスの効いた声に
エマは一瞬固まるが、
「……すみません。
もう無理だと思ったら、
置いて行ってください。」
と、リヴァイの背中に負ぶわれた。
「言っただろうが。
お前が行きたいなら最善を尽くしてやる、と。」
リヴァイはそう言うと足早に歩き始める。
少し火照ったリヴァイの背中は、
見かけ以上に厚い筋肉で覆われていて、
ゴツゴツとした手触りがする。
その逞しい背中に、
エマは安心感を覚えた。
「……と言うか、私、
完全に足手まといですよね?」
「そうだな。
だが、俺が連れて行くと言ったからには
最後まで責任を取る。」
「リヴァイさん、こんなところですら
責任感半端ないですね……」
エマはリヴァイの首元に手を回した。