第88章 勝負の行方
「おい。やらしい声を出すのはやめろ。
やりたくなる。」
リヴァイはエマの顎を引き上げる。
「そ、それ、
息がしにくいんでやめて下さいっ」
エマは自分の顎に触れたリヴァイの手を
握ると、肩で息をした。
「ま、まさかここまでとは、思わなくて……
先に荷物を預けた意味が、
ようやく分かりました……」
エマは終わりの見えない階段を見上げる。
こんなに階段を登ったのは
何年振りだろうか。
後ろに目をやると、
既に地面は見えなかった。
転がり落ちそうな気がして、
急いで前に向き直る。
リヴァイは呆れた顔をすると、
「だからお前が行くには
難しい場所だと言っただろうが。」
そう言って、その場にしゃがみ込んだ。