第86章 本音と建前
エマは部屋でベッドに横になり、
エルヴィンを待つ。
どうしても、さっきのリヴァイの言葉が
思い出されるが、
思いを断ち切る様に目を閉じる。
『しばらく、このままでいよう。』
エマはそう思い、固く目を瞑った。
「エマ。入るぞ。」
しばらくして、ノックの音と共に
エルヴィンは声を掛けた。
そして返答がないのを不審に思いながらも、
ゆっくりドアを開ける。
「……眠っているのか。」
エルヴィンはベッドに横になり、
静かに呼吸をするエマの髪に触れた。
「……エル、ヴィンさん?」
エマはゆっくり目を開けると、
エルヴィンを見た。
「すまない。起こしてしまったな。」
エルヴィンはそう言うと、
エマの隣で横になる。
「いえ、こちらこそ、
寝ていてすみません。」
エマはエルヴィンの方を向いた。