第86章 本音と建前
「いいじゃねぇか。このくらい。」
「ダメですよ。と言うか、
昨日も怒られたばっかりですけど。」
エマは思わず笑った。
「……俺が今、こうしたいんだよ。」
エマはリヴァイの鼓動が、
段々速く刻まれていくことに気が付き、
自分の心が動揺するのを感じる。
「り、リヴァイさん。
もう身体の関係だけとか無理ですからね。」
エマは動揺を振り払うかのように、
冗談目かしてそう言うと、リヴァイから離れた。
リヴァイはエマの手を握ると、
「身体だけの関係なんかいらねぇよ。」
そう言ってエマを見つめた。
エマはリヴァイのその真剣な表情から、
目を離せなくなる。