第86章 本音と建前
結局エレンは再び眠りにつき、
ジャンが兵員宿舎まで背負って帰り、
ハンジは書類の束を抱えたモブリットに
引き摺られながら連れて行かれた。
リヴァイはソファーに深く座り、
寝息を立てていた。
「一気に静かになりましたね。」
エマはそう言いながら、
机の上のグラスを片付ける。
「そうだな。と言うよりも、
さっきまでが騒がしすぎだ。」
エルヴィンは立ち上がると、
ドアの方へ向かった。
「エルヴィンさん、
どこか行くんですか?」
「台拭きがないだろう。
食堂で借りてくるよ。」
「いや、私が行きますよ。
エルヴィンさんはゆっくりしてて下さい。」
エマはそう言うと、エルヴィンの袖を掴む。