第84章 変化は突然に、
エレンとエマが二人掛けのソファーに、
エルヴィンとリヴァイが
それぞれ一人掛けのソファーに座ったところで、
エレンは菜園での出来事を、事細かに話した。
「そうか。エマに相談した直後、
エレンの力が戻ったと。」
話を全て聞き終えたエルヴィンは、
そう言ってエレンの顔を見る。
「エレン。
これは幹部だけしか知り得ない、
機密情報だったはずだ。
それを承知でエマに話したのか。」
「……はい。すみません……」
エレンは膝の上で拳を握り締める。
「今回は結果的にエレンの力が戻り、
良かったのかも知れないが、
それは今回に限ったことだ。
機密性の高い情報を外に漏らすことは
兵団に混乱を招くことに繋がるかもしれない。
それがどう言う意味か、君にも分かるな?」
エルヴィンの言葉に、エレンは黙って頷いた。
エルヴィンはリヴァイの方に視線を向ける。
「それにお前は、エレンがエマに
機密を漏らした事実を、
私に報告しないつもりでいたのか?」
「すみません。
それは私が言ったんです……」
エマは思わず口を挟む。
「私がリヴァイさんに、
エレンを責めないで欲しいと言ったので
さっきリヴァイさんは」
「報告するつもりではいた。」
リヴァイはエマに一瞬目を向けた後、
エルヴィンの目を見入る。