第84章 変化は突然に、
「だが、さっき俺がエマに手を出したのは、
ただ俺の欲求を満たすためにそうしただけだ。
だからあの時はそう言った。」
エルヴィンはリヴァイの話を聞くと、
大きくため息を吐いた。
「もういい。分かった。」
エルヴィンはそう言って立ち上がり、
「エマ。エレンが急に巨人化して、
怪我はなかったのか?」
と、エマの肩に手を置く。
「はい。大丈夫です……」
「そうか。それなら良かった。」
エルヴィンは少しエマに微笑みかけると、
「みんな君には口が軽くなるようだ。」
そう言ってドアの方に向かうが、
途中で立ち止まり、
リヴァイに目を向ける。
「リヴァイ。
今回のエマのことについては目を瞑る。
私も、君とエマが恋人同士の時に、
何度かエマに欲情したことがあるからな。」
「てめぇ、今更なに暴露してんだよ……」
リヴァイはこれ見よがしにため息を吐く。
「だが、これからは控えてもらいたい。
今エマは私の恋人だ。」
エルヴィンはそう言うと、部屋から出て行った。