第84章 変化は突然に、
「……リヴァイさん?」
「別に感情移入するのが
悪いことだとは言ってねぇよ。」
リヴァイは呼びかけに答えず話し始める。
「お前がそれだけ相手の感情を考えられるから、
色んな奴がお前に話を聞いてもらって
楽になれてる。」
リヴァイはエマの後頭部を掴み、
自分の胸に押し付けた。
エマは自然とリヴァイの胸に
顔を埋める。
「だが。そのせいでお前は、
むやみに傷付き過ぎだ。
人の痛みや苦しみを、
いちいち吸収するな。
……と言っても、無理なんだろうがな。」
リヴァイはそう言うと、
ため息をつくように笑った。
「それなら、泣くのくらい
我慢すんじゃねぇよ。」
リヴァイのその言葉を機に、
エマは泣き始めた。