第84章 変化は突然に、
「期待も不安も、希望も絶望も、
エレンの背負うものが、
大きすぎる気がしたんです。
エレンは巨人化することで、
苦しい思いを抱え込みすぎてる気がして。」
エマはそう言って、
こみ上げる涙をぐっと我慢した。
「エマ。
エレンは心臓を捧げた兵士の一人だ。
その一人として、あいつは懸命に戦ってる。
これはあいつが選んだ道だ。」
リヴァイはエマの肩に触れる。
「お前は何でも深く考えすぎなんだよ。
エレンの力で人類は前進する。
それだけ理解しとけばいい。」
「……すみません、
私なんかが余計な心配ばかりして。」
エマが俯くと、涙が一粒零れた。
「極端な感情移入のしすぎですよね。」
リヴァイはそう言うエマを、
優しく抱き寄せた。