第84章 変化は突然に、
「そうか……
エレンはそんなことを言っていたのか。」
部屋に入ってすぐ、リヴァイはエマから
話を聞き出し、軽く目を瞑る。
「はい。かなり自分を
追い込んでる様子だったので……」
エマはそう言いながら、
リヴァイを横目で見た。
「あいつはよくお前に助けられるな。」
リヴァイはソファーに座り込む。
「……助けたって言っていいんですかね。」
エマはリヴァイの横に座りながら言った。
「お前の言葉で、
あいつは救われたんだろ。」
リヴァイはエマの目を見入る。
エマは俯いたまま、口を噤んだ。
「そんな顔すんじゃねぇよ。」
リヴァイはエマの頭に手を置く。
「エレンも言ってじゃねぇか。
良かった、お前のお陰だと。」
「でも私、このままエレンが
巨人化出来なくてもいいって、
心のどこかで思ってました……」
エマは膝の上の手を握り締めた。