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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第84章 変化は突然に、




エマは菜園近くの訓練場を覗くと
すぐにリヴァイを見つけ、

「リヴァイさん!」

と、訓練場の柵の外から声を掛ける。


「なんだ?」

リヴァイは眉間に皺を寄せた状態で振り向いた。



そしてリヴァイが柵に近付いたところで、

「あ、あの。エレンの右腕、
今急に巨人化したんですけど……」

と、息を弾ませながら
リヴァイに耳打ちした。


「あ?本当か?!」

リヴァイは聞き返しながらも、
柵を越え、エマの横に並ぶ。


「はい。今、菜園にいるので、
一緒に来てもらっていいですか?」

エマはそう言いながら走り出し、

「菜園?!何でそんな場所で……」

リヴァイは眉間に皺を濃くしながら、
エマの後に続いた。







エマとリヴァイが
菜園に駆け付けた時には、
白骨化した巨人の右腕が畑に落ちていた。


エレンはその側に立ちすくみ、

「兵長……
俺、巨人化できるみたいです。」

と、怯えた表情でリヴァイを見る。


「そうみたいだな。」

リヴァイはエレンに近付くと、

「何で急に巨人化できたんだ?傷は?」

そう言ってエレンの手の甲を見た。


「芋掘りしてた時に、蔓引っ張りすぎて、
手のひら擦り剥けて血が出てたんで……」


「……何でお前は芋掘りしてんだ?」

「すみません……
手伝ってもらってました……」

エマは申し訳なさそうに言う。


「いや!
俺が無理に手伝わせてもらってたんです!
気分転換に!」

「気分転換に芋掘り……?」

リヴァイは訝しげな表情を浮かべる。



「まぁいい。
取り敢えず、お前が巨人化できたことは、
上に報告しておく。」


リヴァイがそう言うと、
エレンはその場に座り込んだ。



「良かった……
エマさんのお陰だよ。」

エレンはそう言ってエマに笑いかける。


エマはエレンの横にしゃがみ込み、

「いや、芋のお陰でしょ。」

と、エレンに笑いかけた。


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