第84章 変化は突然に、
エレンは大きくため息を吐くと、
「確かに色々考えすぎなのかもな……」
そう言って大きく背伸びをした。
「エマさんの考え方は、
お偉いさんたちの考えと反対だから。
なんか気持ちが楽になるよ。」
「まぁ、それだけ無責任なこと
言ってるってことなんだろうけどね。」
エマは薄ら笑いを浮かべる。
エレンはエマの方を向くと、
「ありがとう。
やっぱり話聞いてもらって良かった。」
そう言ってエマに笑いかけた。
「良かった。そう言ってもらえたら、
私も芋掘り手伝ってもらいやすい。」
エマはそう言うと、
エレンの肩を叩いた。
「よし!今日はエマさんの為に、
全力で芋掘る!」
「まぁ、その芋に一番喜ぶのは
サシャだけどね。」
エマはそう言って笑いながら、
近くにあった蔓を引っ張る。
「ん?これ、かなり大きいかも。」
エマの声に反応して、
エレンはエマに近付き、
「え、さっきの俺の芋よりも大物?」
そう言ってエマの持っている蔓を持った。
「……動かないな。
ちょっと、勢いよく引っ張るから、
エマさん離れてて。」
「さすが男の子!頼んだ!」
エマはそう言うと、その場を離れ、
他の蔓を引っ張ろうとした
その時、
大きな爆発音と共に辺りは煙が立ち込め
畑に芋が散らばった。
「……え、エレン?!」
エマが後ろを振り返ると、
エレンの右腕が巨人化していた。
「………エマさん。ごめん。
巨人化出来るみたい……」
エマは驚きで一瞬言葉を失うが、
「ちょ、ちょっと待ってて!
誰か呼んで来るから!」
と、基地に向かって走り出した。