第83章 エレンの情動
次の日の朝。
エマは菜園に向かおうと、基地を出る。
すると、後ろから声をかけられた。
「エマさん。これから菜園?」
エマは後ろを振り返る。
「エレン。おはよう。
今日はさつまいもの収穫だよ。」
「収穫一人でするの?
俺、今日は非番だから手伝うよ。」
エレンはエマの横に並んだ。
「え、非番なんでしょ?
ゆっくり休みなよ。」
エマが立ち止まって問いかけると、
「大丈夫。
……丁度エマさんと話したかったんだ。」
エレンはそう言って
エマの背中を押した。
「相談事?」
少し曇った表情のエレンを見て、
エマは心配そうに顔を覗き込む。
「……うん。」
エレンは不器用に笑って見せる。
「私で良ければ、
何でも話してくれていいからね。」
エマはそう言うと、
俯くエレンの肩を優しく叩いた。