第83章 エレンの情動
菜園に着くと、
早速二人でさつまいもの収穫を始める。
「エマさん!見て!すげぇでかい!」
エレンは嬉しそうに収穫したての
さつまいもをエマに見せた。
「わ!ほんとだ!私も大きいの探そ!」
エマはエレンに負けじと、
さつまいもの蔓を引っ張る。
「……エマさんといると、
やっぱ落ち着くな。」
エレンは安堵のため息を漏らした。
「最近、息が詰まることばっかでさ。」
「エレン、何かあったの?」
エマは土を掘り起こす手を止めて、
エレンに問いかけた。
「……これ、まだ幹部の人しか
知らないんだけど、」
「えっ、それ、私が聞いても大丈夫?」
エマは思わずエレンの言葉を遮る。
エレンは少し笑うと
「エマさん口硬いから大丈夫。」
そう言って話し始めた。