第80章 拒絶の理由
「……エルヴィンさん、赤くなってませんか?」
エマはエルヴィンの手に触れる。
「君がいきなり、
そんなことをするからだろう。」
エルヴィンは口を手で覆ったまま答え、
「初めて君からしてくれたね。」
そう言うと、自分を覗き込むエマの髪に
優しく触れた。
「そうでしたか?
と言うか、エルヴィンさんのそんな顔
初めて見たんですけど。」
エマはエルヴィンの頬に触れると
嬉しそうに笑った。
エマはゆっくりエルヴィンのシャツの
ボタンを外し始める。
「……かなり恥ずかしいんだが。」
「エルヴィンさんも
恥ずかしいとか思うんですか?」
エマは少し笑いながら言う。
「まさか君にこんな積極性があったなんて……
意外だよ。」
「いつもやられっぱなしですからね。」
「まぁ、否定は出来ないな。」
「だから私にも活躍する場を下さい。」
エマは冗談目かしてそう言いながら、
エルヴィンのベルトを緩める。