第80章 拒絶の理由
「最後の一口くらい食べないか?」
エルヴィンはフォークに刺したケーキを
エマに差し出す。
「いえ、ただでさえ量が
作れなかったので……
エルヴィンさんに
全部食べてもらえる方が嬉しいです。」
そう言うエマに、エルヴィンは
「そうか。ありがとう。」
と、ケーキを綺麗に食べ終えた。
そして、隣で立って見ていた
エマの腕を引き寄せると、
優しく唇を重ねた。
突然口の中を舐め回すような
色欲をそそるキスをされ、
「……エルヴィンさんっ、
…甘い、です。」
と、エマは少し息を切らして言う。
「少しでも食べた気分を味わえたかな。」
エルヴィンはそう言うと、
また口づけをしながら
エマをベッドに押し倒した。