第79章 拒絶
それから一週間程、
エルヴィンは仕事に追われ、
忙しい日々を送ることになる。
「エマ、何だか久しぶりだな。」
廊下でエマを見かけたエルヴィンは声を掛ける。
「エルヴィンさん。お疲れさまです。」
エマはエルヴィンの顔を覗き込み、
「顔色悪いですよ。
ちゃんと寝る時間あるんですか?」
と、心配そうに聞いた。
「ああ。問題ない。
明日には仕上がりそうだ。」
エルヴィンは笑顔でエマの髪を撫でる。
「明日ですか……
今日の夜は、無理ですか?」
「どうしたんだ?
君が私を誘って来るなんて珍しいな。」
エルヴィンは目を丸くする。
「私だって誘いたくなる時くらいありますよ。」
エマはそう言って少し笑った。