第79章 拒絶
エマは少し笑うと
「舞い上がってるんですか?」
そう言ってエルヴィンを見る。
「その姿はかなり掻き立てられる。」
エルヴィンがエマの耳元で囁くと、
エマはすかさずエルヴィンの
ループタイを掴んで引き寄せ、
「……今日からしばらくはできないので、
我慢してください。」
と、エルヴィンの耳元で言った。
エルヴィンはその言葉の意味を察し、
「そうか。体調は大丈夫なのか?」
と、エマの腰に手を当てて、
心配そうに聞く。
「大丈夫です。
あまり体調に変化が出ない方なので。」
エマはそう言って笑って見せる。
「それなら良かった。
だが、別にできなくても一緒に」
「いや、一人でゆっくりしたいんで。」
エマの即答に、
エルヴィンは悲しそうな表情をする。
「そんな顔してもダメです。
エルヴィンさんも今日くらい、
ちゃんと寝て下さい。」
「そこまで言われたら仕方ないな。
今日は君に従おう……」
エルヴィンは残念そうな声を出しつつ、
エマの頭を撫でた。